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横井軍平
十字キーの権利はそれからどうなったのか
- 2009-01-25 (日)
- ニュースのそれから
現在、自分の持っているブログで横井軍平さんのリスペクトキャンペーンをしているので、ここでも横井軍平さんに関わりの深いもので書いてみたいと思います。
■関連:横井軍平さんの開発したものは『ドラえもん』にも影響を与えていた – 空気を読まない中杜カズサ
■関連:ゲームミュージックなブログ・SIDE B 横井軍平さんはある意味コンシューマギャルゲーの祖でもあるという話
横井軍平さんの開発した偉大なもの
横井軍平さんの開発した偉大なものはたくさんあります。それは「ウルトラハンド」、「ラブテスター」、「光線銃」、「ウルトラスコープ」といった玩具。ゲームでは「ゲーム&ウォッチ」、「ゲームボーイ」などのハード、それに「ドンキーコング」、「バルーンファイト」、「マリオブラザーズ」「GUNPEY」といったソフトの開発に関わるなど、この人がいなければ現在のゲーム業界はなかったと言えるほど大きな存在です。
ちなみによく言われる「バーチャルボーイ」ですが、私としてはゲームハード的にはすばらしいものだと思っています(長くなるのでここでは割愛しますが、それ前後の「据置機ゲーム」という括りで見ないで、全く新しい玩具と見たほうがよいと思います)。ただ、広報とソフトがついてこなかった面がありますが。
■参考:横井軍平 – Wikipedia
さて、この横井さんが開発したものの中で、単体の製品ではありませんが非常に有名で、且つゲームの歴史にとって欠かせないものがあります。それが「十字キー」。
十字キーと任天堂
ゲームをやったことのないという方以外なら、殆どの方が十字型の方向操作キーである十字キーに触れたことがあるでしょう。これも横井さんの生み出したもので、初めて搭載されたのはゲーム&ウォッチのドンキーコングから。これの素晴らしいところは、片方を押した時に片方が盛り上がるため、指に返ってくる反応でどちらを押しているかがわかること。また押している感触もよく、任天堂のゲームハードにはこれが今まで標準的についています。またほかのゲーム機でも十字キーに近い形で方向キーが作られたものも多いです。
この素晴らしい仕組みについて、ビル・ゲイツに「未来のマルチメディア機器に搭載するのは十字キー」というようなことまで言わせました。
■参考:Philosophy of Nintendo - ゲーム&ウォッチ
■参考:2002 International CESレポート
さて、この素晴らしい発明ですが、今まで任天堂が権利を持っている、ということが言われてきました。しかしライバル機である「ドリームキャスト」などには十字キーが搭載されている上、ジョイスティックのようなものでは、セガ系、ソニー系のそのまま十字キーが搭載されることがありました。というわけで、この十字キーの権利に関して今どうなっているのか、ちょっと調べてみました。
十字キーは「実用新案」として保護されていた
まず、ここで発見したこと。
十字キーについては、1982年に任天堂株式会社が実用新案登録出願を行い、1992年に「方向性スイッチ」という名称で実用新案権を取得している
(中略)
なお、当時の実用新案権の存続期間は出願から12年間(または出願公告から10年のうちの短い方)であったため、この権利はすでに1994年に消滅している。
さて、「実用新案」から説明する必要があるでしょう。これは物品の形状、構造、組み合わせの「考案」に対しての権利です。
ちなみに有名な「特許」というものがありますが、これは発明に対しての権利なので、これが該当するとしたらゲームの操作ボタンそのものでなくてはいけないはずですが、これはすでに十字キーの生まれるだいぶ前にその存在があるので、該当しないでしょう。
そして、十字キーの場合この実用新案権を申請し、そして認められたことになります。ただ、持っていたのは十字型という外見ではなく、内部構造、すなわち真ん中に支点があり、片方を押した時にもう片方が持ち上がり、上下、もしくは左右を同時に押せないというしくみに対してのものだったようです。
余談ですが、任天堂はゲーム&ウォッチについて1980年に特許を取得しています。
ちなみに、他の知的財産の権利については以下にわかりやすくまとめてありましたので、こちらをご参照ください。
十字キーの権利は今どうなっているのか
さて、このように十字キーは「実用新案権」が申請されていましたが、それの存続期間は現在の法律で出願から10年、当時の実用新案権の存続期間が適用されるとしても、期限は切れていることになります。ちなみに1994年といえばPS、SSが発売された年だったので、そこが最後に制約を受けた場所となるのでしょう。
ということは、ドリームキャスト(1998年発売)のコントローラに十字キーみたいなものが設定された時にはいろいろ言われましたが、もうこの時点では任天堂の実用新案権は失効していたことになります。ただ、ドリームキャストの方向キーも、任天堂が持っていた権利と引っかからないように作られていたらしいです。
では、他の権利を今任天堂は持っているのかと調べてみたのですが、とりあえず特許、実用新案は見つからず(そもそもこの2つは特例でない限り延長はないはず)、商標検索でも出てこなかったため(そもそも部品名だから商標にはおそらく該当しない)、これらの権利は持っていないと思われます。ただ、もしかしたら何かの権利を保有しているという可能性もありますが、そこまで調べることはできませんでした。
今も使われている十字キー
現在、据置機ではアナログコントローラやWiiリモコンのようなものが方向操作の主体となり、昔ほど頻繁に十字キーが使われることはありません。しかしそれでもDSなどではいまだに十字キーが重要なものですし、Wiiにも上のほうにも十字キーがついています。それにクラシックコントローラでは相変わらず重要なものですしね。
この、30年近く経っても通用するインターフェイス、そしてそれを考え出した横井さんはすごいとつくづく思います。
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横井軍平氏が設立した株式会社コトは今どうなっているのか
- 2008-08-10 (日)
- ニュースのそれから
「横井軍平」という名前を聞けば、ある程度ゲームに詳しい人ならぱっと業績が答えられる名前だと思います。
ゲームを知らない人のために説明すると、横井軍平氏は、任天堂がまだただの花札会社だった時から「ウルトラハンド」などを作成、「ゲーム&ウォッチ」を開発し、任天堂を大きな会社にと成長させ、さらにファミコン及びのいくつかのソフト(「バルーンファイト」「ドクターマリオ」など)の開発に携わった上、ゲームボーイを開発し、任天堂を大会社に成長させた立役者の1人です(ちなみに失敗と言われている「バーチャルボーイ」も、個人的にはコンセプト自体は悪くなかったと思っています)。任天堂ならず世界中の有名人となっている、「スーパーマリオブラザース」や「ゼルダの伝説」の生みの親、宮本茂氏の師匠とも言われています(参考:任天堂 岩田聡社長インタビュー)
私はゲーム好きで『ゲームミュージックなブログ』なんてブログもやっています。で、どっかの板のようにどのハードの信者でもないつもりですが、横井軍平氏の考え方、特に「枯れた技術の水平思考」は好きです。これを語ると長くなるので、それについては以下を読んでください。
横井氏は「50を過ぎたら好きなことだけをしたい」と任天堂を退社後、株式会社コトを設立。そしてワンダースワン開発に携わり、自らもソフト開発を行っておりました。しかし、任天堂退社から1年後の1997年10月4日、自動車事故でこの世を去りました。このことは、横井さんを知っている方ならご存じの方も多いでしょう。しかし、その設立した株式会社コトが今どうなったか、ご存じの方は少ないのではないでしょうか。それが気になったので、今回ちょっと調べてみました。
株式会社コト、健在
さて、結論から言うと、今もちゃんと存在しております。そしてgoogleでもちゃんと検索の一番上に出てきます。
一番上,企業ロゴの横に書かれている「枯れた技術の水平思考」が嬉しい。
設立した人があまりに偉大で、さらにそれを亡くした場合、会社の経営自体が立ちゆかなくなるパターンはよくあるので、正直安心しました。いや、あるとは思っていましたが、今まで出した製品の権利管理会社になって、製品を作っていないという例は、業界では珍しくないので。
さて、そこを見て製品を調べたところ、最近ではゲームソフト系は(名前が出ているものでは)それほど多くないようです。ただ、ワンダースワンで出た「GUNPEY」はバンダイナムコゲームスでリメイクされているので、それの監修に携わっているようです。
ホビーや半導体ソリューションの会社
メインの事業を見ると、どうやらゲーム以外のホビー、半導体ソリューション、装置ソリューションが多いようです。というか、ソリューションを生かしたホビーを開発しているようですね。たとえば「棒ゲー」というのは、昔小学生の時に、掃除のほうきを手の上に垂直に乗せて、何秒間倒さないでいられるか、というのをそのままホビーにしたような感じみたいです。
■棒ゲー
あと、バンダイのおもちゃらしいTVにつなげて遊ぶドラゴンボールのゲームも。
テレビゲームではありませんが、このような場所で製品を開発しているようです。というかテレビゲームより、なんとなくこういったおもちゃのほうが、横井さんの魂を感じる気がします。
がんばってね
経営陣を見ると、任天堂出身の人からそうではない半導体畑の人までいろいろなところから集まっているようです。別にかつての任天堂みたいに大きくなる必要はないと思いますが、面白い製品を作ってくれる会社であればいいなと思ったりします。それは横井氏がウルトラハンドやゲーム&ウォッチを作り出したように。
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