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ソーテック

PCメーカーのソーテックはそれからどうなったのか

 今、パソコンを売っていてそれなりにシェアを取っているメーカーというのはわりと限られていますが、2000年前というのはまだPC普及期であったため、今とは違うメーカーがいくつも存在していました。例えば外資系の「コンパック」や「ゲートウェイ」、そして国内では「ソーテック」。

1984年設立のPCメーカー「ソーテック」

 PC歴が5年以上の人は、「ソーテック」の名前をご存じの方も多いと思われます。というのは5年前くらいまではわりと低価格帯のブランドとしてはかなり有名な存在だったのですよね。

 この会社は1977年、大邊創一氏がマイコンショップ工人舎を設立したのが前身で、その技術部門が分かれて1984年4月にソーテックが設立されます。で、当初は主にOEMでPCの製造をしていたみたいです。
 そして1997年、PC分野では当時韓国でサムスンやLGに続いて大きなメーカーであり、ソーテックの生産依託先でもあった三宝コンピュータの傘下に入ります。そしてここから「PC STATION」など、独自ブランドの国内販売を強化していました。
 ちなみにソーテックは韓国メーカーだという話が有名になった後も何度か聞かれましたが、これは上の様に一時期韓国メーカーの資本下にあったためと思われます。

iMacの類似品「e-one」

 さて、この2000年あたりの主流は圧倒的にWindowsとなっていて、一般層にはAppleのマッキントッシュの選択肢はほとんどないくらいでしたが、ここでAppleからあるものが発売されました。それは「iMac」。
 それまでにないスタイリッシュなデザイン、手ごろな価格など数々の特徴が人気となり、一般層からも多くの購入者を生み出し一躍ヒット商品となります。

 ■iMac – Wikipedia

 すると、WindowsパソコンでもiMacに似たデザインの商品が次々に出されることになります。そしてソーテックもその「e-one 433」という、ブルーのスケルトンボディを採用したiMacに似たWindowsマシンを販売することになりました。まあはっきり言ってしまえば、ほとんどWinパソコンのiMac。これは当時のWin系パソコン雑誌などにもよく掲載されていたりしたのもあって、話題になりました。ただ、一番の話題は「これ、訴えられるんじゃね?」っていう方向ででしたが。
 そして予想通りアップルはソーテックをはじめとしたこれらの類似品を出したメーカーに対し、アップルが提訴して、1999年9月20日に東京地方裁判所により製造・販売を禁止する仮処分が下されました。

 ■東京地裁、e-oneに対し製造および販売禁止の仮処分決定 ※e-oneとiMacの画像有り

 この騒動で業績が低下したため、キョウデンと資本・業務提携し、三宝の出資比率を下げたとのことです。

ソーテックの知名度上昇

 しかし、この騒動はプラスに働いた面もあります。それはこれで低価格帯PCを売る「ソーテック」というブランドの知名度が上がったこと。2000年前後はパソコンの発展期でPCの販売戦争が始まっていましたが、当時のパソコンの平均価格はほとんどが大メーカーから出ているもので、20万以上というのが多かったのです。しかしそこでソーテックは低価格路線を打ち出し、10万円台やそれ以下のデスクトップパソコンを展開し、安価でPCを購入したいけど、自作まではできない人達の間で注目が集まります。
 そして2000年には、ナスダックジャパン(現ヘラクレス)にも上場します。
 ちなみに下のは、当時の雑誌に載っていた広告。

 sotec

サポートの悪評

 しかし、ソーテックについては低価格の評判に反して、あまりよくない評判もありました。それは壊れやすい、そしてサポートセンターになかなかつながらない等。ローコストのしわ寄せが品質管理とサポートに来てしまったということがよく噂されました。
 実際、当時私が勤めていた会社でもテスト用の新PCをソーテックので入れたのですが、1日で動かなくなってそのまま送り返した経験があります。まあ初期不良はどのメーカーでもあるので一概にソーテックだけ飛び出て悪いとは言えませんが、サポートのつながり辛さは本当だったと思います.。
 以下Wikipediaより。

品質管理の甘さ(これは後年ソーテック自身が認める事になる)により多くのクレームを引き起こし、ネット上(特に2ch)で『総鉄屑』と呼ばれる大騒動となった。サポートの電話も混雑して繋がらず、ソーテックも「電話1台しかないんか」と題する自虐的広告を出す程だった。 

 ■参考:ソーテック – Wikipedia

創業者社長退任&工人舎設立

 そして、2000年代中盤になると、DELLなど海外メーカーも低価格路線をスタートして、ソーテックのアドバンテージがなくなってきます。といってもこの時代はパソコン需要がだいたい満たされたせいで、どのメーカーも売り上げを落としていたのですが。
 そんな中の2004年、キョウデンが持ち株をロスチャイルド・三井物産合弁のアクティブ・インベストメント・パートナーズに売却し、創業者の大邊社長が退任します。
 この時、大邊社長は工人舎という会社を設立し、そちらに移りました。これは前身の会社と同じ名前です。

ソーテック、オンキヨーの傘下→解散

 その後もソーテックは低迷を続けます。打撃の決め手となったのは、韓国に設立した関連会社ソーテック・コンピューター・コリアの社長が業務商は委任を行ったことが引き金となり、業績が悪化して解散を決定したことでしょう。
 結果2007年7月2日にはオンキヨーによる公開買い付けおよび第三者割り当ての引き受けにより、オンキヨーの子会社となることが決定しました。
 そして2007年7月15日、オンキヨーに吸収合併されることで上場廃止。解散となります。

ソーテックブランドは残る

 現在ですが、PCブランドとしてのソーテックは現在でもオンキヨーのものとして存続しています。

 ■パソコン(PC)・ノートパソコンなどの購入・通販サイト|ソーテック

 また、工人舎は現在人気のネットブック市場でその名前をよく見かけます。

 ■製品情報 | KOHJINSHA ※トップページを全面フラッシュなので、製品ページ。

PCメーカーの栄枯盛衰

 あと、最初にソーテックに出資していた三宝コンピュータも、昔は韓国3位と言われていましたが、2005年には倒産してしまいました。

 ■レノボ、韓国第3のメーカー「三宝コンピュータ」買収へ動く?:コラム – CNET Japan

 あと、最初に挙げたコンパックはヒューレット・パッカードと合併(事実上の吸収)し、ゲートウェイもミニノートで有名なエイサーの子会社です。それと一番衝撃的だったのはIBMですね。PCブランドをレノボに譲渡するなんて、10年前では全く考えられませんでしたから。
 あとそれらPCを売るパソコンショップもいろいろ変化し、ソフマップはビックカメラグループに、九十九電機は倒産してヤマダ電機傘下になりました。
 PC関連企業ってのは浮沈が激しいのだなと実感させられます。

 今は、ミニノートでそれなりに新しいメーカーが目立っていますが、数年後には様相は全く変わっているでしょうね。

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