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2008-07

このブログを始めてわかった問題点とか

 水曜なので、テーマに対しての調査ではない更新。

 さて、なんとなく面白そうなのではじめてみたこのブログですが、やっているうちに、何故、今までこういうブログがなかったのか、そしてどういった問題点があるのかというのが見えはじめてきました。もし似たようなサイトを作ろうとしている人が参考となるように、ちょっとそれについて書いてみようと思います。

その後の情報がない

 ネタは、ネット巡回での思いつきか、一昔前のPC雑誌(週刊アスキーなど)を読んで、昔あって、今気になるものを探してみます。しかし、あるものについてその後を追っても、その情報が全くないことが多いのですよね。たとえば、大炎上したサイトがその後どうなったかというのを調べようとした時、たいていはサイトを閉じてはいおしまいなのですよね(ごく一部、それ以上の展開がありますけど)。とはいえこれはある程度予想していたので、別にそんなにマイナス要因ではなかったりします。それ前提で「調べればわかりそう」という前提のネタを探す必要があります。

「その後」がたいしておもしろくない場合も多々ある

 「その後のニュース」といっても、たいして面白くない、というか変化がない場合も多々あります。例えば謝罪会見以降、別に淡々と営業をしているとか。そうなると書いてもおもしろくもないのですよね。

 ただ、これも予想していたので、このブログを「その後のニュース」だけではなく、「インターネットの歴史を扱う」ということにして、歴史書を読むように楽しめる方法をとっています。もし、その後のニュースだけなら、先日の悪マニも、1/4の長さで終わったかも。だけど経緯をふまえて説明すれば、前述のような楽しみ方も出来ると思うので、まあこれも大きな問題ではありません。

すでに書かれている(特にWikipedia)

 実はこれが始めてから一番ぶち当たっているもの。つまり、ネタを調べて検索をかけたら、すでにWikipediaなどでまとまった情報が書かれている場合があるのですよね。これは先日MP3の件で書いた「コピーコントロールCD – Wikipedia」などがあてはまります。そこでまとまっている以上、改めてここで書く必要はないと。

 こう考えると、今までこのようなサイトがなかったのは、Wikipediaが十分その役目をはたしていたからではないかとも思えます。

これからの方針

 ただ、まだWikipediaにも書かれていない、そして部分的には書かれているけど、項目が別でまとまっていないものというのは多数あると思うのですね。ですので、Wikipediaとは別にまとめあげるという点で、何かかけそうな気がします。しかし、週一に絞ったのは正解でした。じゃないと、たぶん今、ネタ切れ起こしているし、精度がかなり悪くなっていただろうし。

 しかし、Wikipediaやほかのサイトに載っている情報も、ニュースサイト的に載っけてみるのも面白いかなという気がします。ですので、日曜以外の更新で、それをやってみようかなとも思います。たとえば○○はどうなったか→ここを参照とか。そうすれば、誘導的な役目は果たせるのかもと。

 ともあれ、いまだに試行錯誤中なブログですが、何卒よろしくお願いいたします。

悪マニvs株式会社ウェディング問題(google八分問題)はそれからどうなったのか

 「google八分」という言葉をご存じでしょうか。これはグーグル八分 – WIkipediaにもありますが、現在世界でかなりのシェアを持つ検索エンジン、Googleのデータベースから何らかの都合ではじかれ、検索結果に出なくなる現象を指します。検索エンジンは現在ではサイトを知る方法として非常に有力な手段ですので、そこの表示されないとなると、一種の検閲行為にも当たるのではないか、と物議を醸しています。

 これが日本で広く知られるようになったひとつの事件があります。それが「悪徳商法?マニアックス」が、株式会社ウェディングに訴訟を起こされた一連の流れ。

事の起こり

 悪徳商法?マニアックスは、日本のインターネットではわりと歴史が古く、1997年頃から存在しました。そこの掲示板では、悪徳商法に対しての告発などが行われ、その手のものに困ったユーザー、予防したいユーザーが調べたいときにによく読まれていました。当初は悪徳商法の告発を目的としながらも、ややアングラ的な感じ(犯罪的な意味ではなく、昔の2ch的な感じという意味で)を漂わせている面もありました。それは、管理人のbeyond氏が、正体不明の人物みたいな感じを漂わせていたこともそのひとつでしょう。

 さて、このサイト、名前が出てきた会社にとっては(それが悪徳かどうか問わずに)たまったものではないので、削除要請がかなりあったようです。しかしある時、ここ(正確には、同氏の運営する匿名掲示板(仮))に悪徳商法と書かれたブライダル会社が、削除要請を行ってきました。

 ■株式会社ウェディングに関する情報を募集しています(2003年12月13日)

 ここによると、

11月27日にウェディングより削除要請が来ました。 それに対し、「法人の削除要請は公開で」「掲示板が嫌なら、自社サイトに公開質問状を」と返答したところ、「訴訟をもって糾弾すると共に、捜査関係機関に 申告し、被疑者を訴追する」と言う返事を貰うとともに、プロバイダに対し当方の契約者情報を開示せよと言う「発信者情報開示依頼書」が届きました。

とのこと。そこでここ(悪徳商法?マニアックス)に載せたことで、検索順位が一気に上がり、「株式会社ウェディング」で検索すると、悪マニが上の方になるという事態になりました。募集したことで、こんなのまで書かれましたし。

 しかし、同じ悪マニの記事。

「株式会社ウェディング」の検索結果について(2003年12月29日)

googleで、キーワード「株式会社ウェディング」にて検索すると、27日頃までは当サイトのトピックスが2番目に表示されていたのですが、28日になると無くなっていました。どうも、トピックス自体が検索できなくなったようです。何故なんでしょうね?

Google八分

 そして年明けて新年。

 ■google の検索結果から削除されました(2004年1月6日)

 ■googleから、削除された理由(わけ)(2004年1月15日)

 ■Google Japanがクレームのあった検索対象を結果から除外(スラッシュドット)

 ここに、「Google八分」が認識されました。と同時に、この周辺が非常に騒がしくなります。まず、ウェディング社の削除要請などが盛んになります。

 ■株式会社ウェディングがはてなダイアリーに圧力?(スラッシュドット)

訴訟

 そしてとうとう、悪マニの管理人が訴えられてしまいました。

 ■株式会社ウェディングが「匿名掲示板(仮)」を名誉毀損で提訴(スラッシュドット)

 ■株式会社ウェディングが、匿名掲示板(仮)に6,000万円請求 (2004年3月1日)

 数日後、名誉毀損容疑で刑事告発も受け、家宅捜査を受けます。

 ■匿名掲示板(仮)が、家宅捜索されました(2004年3月11日)

ネットでの動き

 しかし、さすがにこれを素人つぶしの請求金額(6,000万円)含め、横暴と感じた人は多く、多くのネットユーザーがこれに抗議の意を示します。そして以下はそんな時に間雄志によってまとめられたもの。

 ■株式会社ウェディング vs 悪徳商法?マニアックス

 ■カウントダウン・ウェディング・まにあっくす

  ※同社が、自作自演サイトを用意して、自社を褒め称えるサイトを作っていたことから出来たもの。それとこの件を避難するサイトの順位を比較していた。

 ■angelicanalの日記

 これにより、逆にウェディング社がマイナスイメージで大きくネットに広がることとなります。

 その折、とうとう今まで正体が謎だったbeyond氏が実名を公表します。

 ■管理人Beyond の実名を公開します(2004年3月11日)

 今まで正体が謎であったBeyond氏が実名を公表したことを『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』には「あのBeyond氏が、という点に時代を感じた」と書かれています。

 同時に、「悪マニBeyond氏と一緒に、ウェディング問題を考える会」が結成されます。これの委員には、紀藤正樹弁護士、まぐまぐの深水英一郎氏山口貴士弁護士などがおり、話題となりました。

告訴取り下げ~請求放棄

 4月12日、同社から告訴の取り下げが行われました。

 ■株式会社ウェディングが、訴訟を取り下げました(2004年4月12日)

 しかし、取り下げの場合は被告人の同意もなければいけないのですが、それをBeyond氏がしなかったために、続行。

 ■取り下げの不同意書(2004年4月25日)

 その後同社が再度請求できない「請求放棄」を行ったために、この件は終了となりました。

 ■株式会社ウェディングが、請求放棄を行いました(2004年6月2日)

 そして刑事事件も不起訴となり、この件は一応終了しました。

 余談ですが、この間にWinny作者47氏が、著作権法違反ほう助の疑いで逮捕されています(5/10)。このあたり、インターネットの歴史で激動の春だったのかもしれません。

その後

 その後、「悪マニBeyond氏と一緒に、ウェディング問題を考える会」は2005年2月26日をもって「インターネット上の表現の自由を考える会」に名称変更(今でも活動があるのかは不明)。そして株式会社ウェディングは社名を変えたため、今ではその名前は存在しません。そしてBeyond氏は、google八分対策のソフトを作って、IPAが採択した未踏ソフトウェア創造事業に選ばれたりしています。

 ■グーグル八分発見システムが未到プロジェクトで採択(スラッシュドット)

 しかし、Google八分はまだ解除されておらず、「悪徳商法」「株式会社ウェディング」で検索しても、Google八分を示す「Google 宛に送られた法的要請に応じ、このページから 1 件の検索結果を除外しました。ご希望の場合は、ChillingEffects.org を除外するに至ったクレームを確認できます」が表示されます。(ただ先日検索したときには、いきなり悪マニが1位だったのですがなんでだろ?)

終わりに

 ただ、ある程度ニュースになり、ほかのサイト(ニュースサイトなど)で紹介されたサイトがgoogle八分となっても、それを完全に隠蔽することは不可能なのですよね。というのは、たとえその本サイトが一番上に来なくても、1ページ目に、それを消化した関連サイトが上がってくる可能性が大きいからです。たとえばそれがはてなブクマで注目された場合、そのはてブページとか、ニュースサイトのその記事を紹介した日とか。となると、結局はそこからgoogle八分となったページに辿れますから、ほとんど解決にはならないはずです。実際、悪徳商法?マニアックスも、その関連サイトやリンクサイトが上位に来てしまうのですよね。その上、google八分されたことが判明した場合、ネット界隈で騒ぎになる可能性も高いので余計話が広がる可能性もあります。ついでに、googleの関連検索は遠慮なしに一番調べられているものが出てきますので、そこでもより目立つ可能性があります。最近でも、google八分の話はたまに聞きますが、上のような意味で、すでにそういった規制は、googleなど検索エンジンでも不可能になっているような気がします。

 この事件はインターネットの問題について、いろいろなところで考えさせられた気がします。その面では収穫があったのではないでしょうか。

gif特許問題はその後どうなったのか

 こちらはご存じの方も多いと思うのでスルーしようと思っていたのですが、MP3も扱ったことだし、日曜以外の更新で増刊的に書く分にはいいかなと。

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 さて、古いネットユーザーには、MP3同様、gifにも特許問題があったのをご存じの方がいらっしゃると思います。これを保有していたのはUNISYS社。同社は1985年に「LZW(Lempel Ziv Wilch)圧縮法」についての特許を取得し、旧CompuServeが推奨したGIF形式は画像データを同技術で圧縮されており、CompuServeと Unisysとの間で1994年、ライセンス契約が結ばれました。この時点から、商用ソフトではライセンスの徴収が始まりましたが、フリーソフトについては特許料をとらないという方針であったため、フリーソフトにはgifをサポートするものが大量に生まれました。

 その後、ファイルの軽さや使用方法の多様性などにより、急速に普及しました。特に、ここから普及し始めたWebの画像にはかなり重宝されました。あと、gifアニメなんてものも生まれましたね。以下のは当時の代表的な作品。

 ■ピカプー a gogo

 ちなみに、元ページはすでに閉鎖され、作者の方は消息不明だそうです(あれから10年か……)。

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 しかし、ネットの爆発的な普及でそこに金を見いだせると思ったのか、1999年にいきなりフリーソフトウェア向けの無料のLZWライセンス(事実上のフリー許諾)を廃止。そしてgif形式に対応したフリーソフトの作者にも特許料を請求しはじめ、gif画像を公開していたネットユーザに対しても、特許使用許諾を得たソフトウェアを使っていなければ直接Unisys社に特許料を支払うよう要求したということ。

 これには、フリーソフトの作者だけではなく、ユーザーからも大反発を喰らい、「gifを利用するな」という動きが世界中に起こります。そしてgifを使わないキャンペーンもネット上で展開されました。その数々の運動の結果、多くのフリーソフト、そしてWebの画面から、gif画像が消滅してゆきました。ちなみに今でも、この事件の余波で、「ユニシス」と聞くと同社OSよりもこっちを思い出して拒否反応を起こす人が少なからずいるみたいです(ただし、現在の日本ユニシス社は、米UNISYS社が権利を全て譲渡してしまったために、当時のUNISYS社との関係はありません。参考:日本ユニシス – Wikipedia)。

 同時に、gifに変わる特許のないフォーマットを生み出そうという動きも始まりました。そしてWWWの標準化団体W3Cは特許のしがらみのない画像フォーマットを求め、GIFに代わる形式としてPNGの標準化を制作し、これの標準化に乗り出します。そしてpngはブラウザにもサポートされ、ネット上でほぼjpegやgifと同じように使っても差がないフォーマットとして普及してゆきました。ちなみに、ゲームでも透過の問題などでpngが使われることがけっこうあります。

 ただ、21世紀になると回線が増強され、HDDの容量も増えてきたなどのこともあり、gifやそれに変わるpngではなく、jpegが一般的な画像フォーマットになったため、Webについては両者の必要性はあまりなくなりました(まあ、jpegは不可逆フォーマットで、前者2つは可逆フォーマットですが、不可逆でもかまわない人、それ自体知らない人にはあまり関係ないだろうし)。とはいえ、pngはそれなりに普及し、今でもよく見ることがあります。イラスト系を保存したらpngだったとかいうことはあるでしょう。

 しかしその数年後、アメリカでは2003年6月20日に延長申請をしなかったために、同社の権利は失効し、日本でも2004年6月20日に失効しました。

 ■GIF特許、日本でも期限切れに (ITmedia)

 ここから、gifのサポートを控えていた各種ソフト(特にオープンソースなど非商用やフリーソフト)は、サポートを復活させました。そして今でも、アイコンなど色数が少なくてもよいものなどはgifのものををよく見かけますね。

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 これを見て思った人もいるでしょうが、MP3の歴史と似ているのですよね。すなわち、普及→ライセンス主張→反発して新しいフォーマット(ogg、png)誕生というあたりが(とはいえ、MP3は一般ユーザーにライセンス徴収をすることはなかったようですが)。そのほかに、普及したフォーマットでこういった権利主張を行うものがあまり出てこなかったのは、結局のところそんなのをしたところで普及が止まり、そして代わりが出てくるといった歴史故出はないかと思ったりします。

 いや……実はもうひとつ、パソコン関連、ぶっちゃけた話OSで、権利を主張してユーザーまで課金請求しようとして、そして自爆しつつあるものがあるのですが、これはちょっと特殊なので、また日を改めて書こうと思います。

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☆その他参考サイト
 ■LZW特許 【GIF特許】e-words

 ■ユニシス – WikipediaLZWとGIFに関する議論」の項

 ■GIFの特許問題について

MP3のライセンス問題はその後どうなったのか

 今日はそれに携わる人(主に技術者)は当たり前のように知っているだろうけど、一般人にとっては忘れられているニュースというのを一つ書いてみたいと思います。

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 音楽フォーマットとして今では当たり前のように使われているmp3(MPEG Layer-3)は、1990年代後半、ファイル容量の軽さ(WAVの1/10程度)、その容量に比較しての音質の良さから、あっという間にパソコンでの音楽試聴のスタイルが広がってゆきました。何よりも、CDをいちいちケースから取り出して、プレイヤーにかける手間がなくなったのが一番大きかったと思います。
 ですが、インターネット初期にはかなり権利者側から悪いイメージを持たれてしました。それは、これが事実上著作権保護機能を持たず、いくらでもコピーできることから嫌われていたのですよね。実際、アンダーグラウンドのサイトではCDからこれに変換された音楽ファイルが流通していたのですが、本当の懸念は、借りたCDでもmp3として取り出して再生できるため、それまでのように一人一枚CDを買うのではなく、レンタルですませるという人が増えるのを懸念されていたという可能性もあります。ただし、レンタルで借りてきたCDから取り出してそれを個人的に楽しむ分には、その分の金額もすでにレンタル代に含まれているので合法ですのであしからず。

■参考:レンタル屋で借りてきたCDをコピーしても、原則違法ではない

 そういった中、mp3による流通をなんとか食い止めようと、いろいろなフォーマットが策定されたりしましたね。特に悪い意味で有名なのは、コピーコントロールCD、通称CCCDではないでしょうか。ちなみに、CCCDについても書こうと思いましたが、これはWikipediaで導入の経緯からほぼ壊滅的な現状までまとまっているので、そちらを参照したほうがよいと思います。

コピーコントロールCD – Wikipedia

 まあ、その時代の混迷も、後にiPod&iTunesの登場で一気にシェアを奪われるという結果になってしまうのですが。

 話が脱線しましたが、mp3はその利便性により普及し、パソコンで手軽にCDからのエンコードが出来るソフトやプレイヤーなんかも多数出てきました。有名なのは「午後のこ~だ」でしょう。昔からのパソコンユーザーでは、これを使って手持ちのCDをエンコードした人は多いのではないでしょうか。

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 しかし、このMP3に対して、1998年以降、ドイツのFraunhofer-Gesellschaft社とフランスのThomson社がライセンスの保有を主張し始めました。しかし主張しつつ、実際は何も行使しない場合も多々存在します。ただ、これらの会社はその後いくつかの会社に対して具体的に(訴訟などを介して)請求するようになったのです(訴訟については後述)。これによりMP3を使っている人々の間にざわめきが走りました。というのは、ほかの特許同様、どこまでに起用されるのかがわからなかったからです。

mp3licensing.com – Royalty Rates

 上のは、その具体的なライセンスです。ここでは例えば5000本以上販売したゲームに使っているならば、US$2,500.00を支払うように記載されています。しかし、これがフリーソフトに及ぶかなどは依然不透明でした。故に、そこからいつ、自分のもとに請求が来るのではないかという恐れから、ソフト制作者はそれのバージョンアップや配布をやめてしまったケースもあります。前述の午後のこ~だも、一時期そのためか配布を中止してしまいました。

 しかし、そんな状況を打開するために、いくつかの動きが始まります。ひとつは、LAMEの開発、もうひとつはOgg Vorbisの開発。
 LAMEとは正確に書くと説明がなくなるのですが、とりあえず上記の会社が持っている圧縮技術の特許を回避して、MP3エンコードを作成しようというシステムと考えていただければいいかな?

LAME – Wikipedia

mp3というフォーマットと特許・著作権

 ただ、特許問題は若干残っているようですが、現在のところLAMEに対して訴訟が起こされたケースはありません。
しかし、仮にLAMEがつぶされていたら、ほoggなどほかのフォーマットが主流になっていた可能性はありますね。実際、同じくライセンスのある後発のmp3proはほとんど普及しませんでしたし。

 そしてOgg Vorbisは、MP3と同じく音声ファイルフォーマットで、こちらはパテント(ライセンス料)フリーを目的としてオープンソースで作られました。

Ogg Vorbis – Wikipedia

 音楽フォーマットではMP3に変わることはありませんでしたが、下記のようにゲームなどで現在でも一定の用途があります。

■関連:ゲームの音声フォーマットとしてmp3があまり使われていない理由

 現在ですが、表だった動きはありませんが、大手ベンダーでMP3を利用しているところ、たとえはiTunesのAppleなどはライセンス料を支払っていると思われます。で、たまに裁判になったりもしますが。
 ついでに実際に起きたマイクロソフトがらみのMP3裁判裁判の経緯。マイクロソフトはMP3のライセンスを持つAlcatel-Lucent社から訴訟を起こされ、陪審員の評決で敗訴し、15億ドル(約1800億円)というとんでもない額の支払い命令を受けました。これは、MSが好きではない人が多いネットユーザーでも、次は同じことが自分たちの身近にも降りかかる可能性を予想して騒ぎになります。しかしその後、訴えられた二件のうち、特許1件について侵害はなく、もう一件についてはライセンスを持つ別の会社に支払われているとして逆転判決となりました。しかしそれにAlcatel-Lucent社が納得できず再び提訴して、現在もその裁判が続行中とのこと。

MSに15億ドル支払い命令–アルカテル・ルーセントとの特許裁判で
MP3特許訴訟、マイクロソフトへの賠償評決覆す
仏Alcatel-Lucent、MP3特許侵害でMicrosoftを再び提訴

 ちなみに2003年にもちょっとした騒ぎが起こりました。

無料MP3デコーダのライセンス騒ぎ(スラッシュドット)

 こちらでは、ライセンスの文章からとある免責事項が削除されたことから、既存のデコーダに対してもライセンスの購入要請が来るのか(というより、訴訟をふっかけられる恐れがあるのか)というのが話題になりました。
 これに見られるように、ライセンス問題というのはPCユーザを非常にピリピリさせるものなのですよね。故に、こういった問題が持ち上がると、oggなりLAMEといったものがすぐ出てくるのでしょうね。

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 なんだか、それからどうなったの話題というよりは、MP3著作権の歴史みたいになりましたが、まあそれも一興ということで。

 ちなみにこれの権利が失効するのって、いったいいつなんでしょうね(調べてもよくわからなかった)。そしてその時、MP3はどうなるのか、非常に興味があります。

まんぼうシールはその後どうなったのか

 とりあえず更新。当面は日曜更新を目標にしてゆきたいと思います。

 2006年7月1日、福岡県書店商業組合が、全国の書店で問題になっている万引きへの対策として、あるものを打ち出しました。それが「まんぼうシール」と呼ばれるもの。これは、万引きを防止するための試みとして、書店で正規に購入した書籍(コミック、新書、写真集)にはレジでこのまんぼうシールを裏表紙に貼ることで万引きでないことを示し、ブックオフなどで買い取りの際、貼られていないものは、買い取り拒否をしてもらうことで、結果として万引きをなくそうという試みだった模様です。

 しかし、これを運用するにおいて問題となった点があります。それは客に選択の余地なく、そのシールを貼られるということ。つまり、買ったものなのにその時点でシールを貼られるという毀損を受けるわけです。私もたまにコンビニの安いマンガで袋をいらないと言うと、雑誌にシールを貼られてちょっと微妙な思いをしますが、こっちはそれよりも高い本です。ましてや写真集は5000円くらいするものもあるのに、それを勝手に毀損されてはたまりません。

 さらに、このシール自体にも実効性が疑われました。というのは、あくまでこれは福岡の、さらに書店組合のみの試みです。となると、まずは拘束力がないため、古書店は従う必要はありません。それでも貼っていないものは確実に万引き、というのならば協力は得られたのかもしれませんが、福岡のみでの試みなので、たとえば、他県で本を買った場合、貼ってなくてもそれは正規のものですから、それとの区別が出来ません。さらに、はがした場合、また、過去の本だった場合など、抜け穴と言うにはあまりにも大きすぎるのです。
ただ、このことは、始まる前から言われていました。

■参考:まんぼうシール問題、自分なりに妥協点とかtipsとか

 そして、実際に始まると、同じように問題が起こりました。詳しくはマンガニュースサイト、痕跡症候群さんのレポに詳しいです。

■参考:福岡県で始まった「販売証明シール」についてのレポ

 正直、こんなの貼られて、しかも綺麗にはがせないんじゃあ、私は買いたくなくなるなあというのが正直なところ。おそらく全国の書店が同時に始めたら、ビジネスモデル上シールの添付が困難なAmazonなど通販業者にしてしまいそうです。

 さて、こんな混迷の中で始まった制度、それから1年後の2007年も続いていましたが、ちょっと状況が変わっていたようです。

2006年7月、福岡県で始まった「販売証明シール」は万引き防止として役立ってるのか?

まんぼうシールその後

続・まんぼうシールってどうよ!?

 上のリンク先は、実際に体験をされた方のレポですが、事実上、本に直接貼る店は見受けられません。無視か、レシートに貼る、というのがほとんどですね。まあ当然でしょう。客がいやがるというほかにも、店としても何十冊もマンガを買われたときに、その分シールを貼るのは作業として圧倒的な手間ですから。
しかし、アンケートを見てみると、万引きに対して「効果がない」という意見がほとんどだった点はなんとも。

 そして制度が2周年目を迎える直前の2008年6月、以下のニュースが。

10月末廃止 無念の撤退 万引防止の「まんぼうシール」 客に不評 実施店激減

 公式に、廃止となりました。「(新古書店に)持ち込まれる本のうち、シールがあるのは最近で3割未満」「参加率は組合店の20%を割る」など、実効性がなくなっていれば無理もないでしょう。

 たしかに、書店が万引きに対して多大な被害を被っていて、それの対策に苦心していることもわかりますし、一番悪いのは万引きをする人間です。しかしながら、それで罪のない一般ユーザーに対しても、不便をかけ、それで人を離れさせてしまった点が、最大の敗因ではないでしょうか。しかし、本屋なのに、持ち主にとって本は消耗品とは限らず、大切なものとして扱う人も多いということを認識できていなかったのでしょうか、という点は今でも心に残り続けています。

 でも、何かこれにデジャ・ヴを感じるなあと思ったら、これか。

コピーコントロールCD – Wikipedia

 こっちも、悪意のコピーを防止するために一般ユーザーを犠牲にして、その挙げ句ユーザー離れを起こして、結局事実上廃止に追い込まれましたね。

 あと、最近また似たようなことが起こりそうな気がします。

「経緯は知らぬ」「言い逃れだ」・コピー補償金問題、10日再開の審議は大荒れ

 こちらも気づいたら、録画するもの自体がテレビからなくなり、その市場がコピーの反乱とは別の方向で衰退した、ということがなければよいのですが。

キオスクの相次ぐ閉店はあれからどうなったのか

2006年後半から、2007年にかけてでしょうか、都内のJRの駅ではある現象が起こり始めました。それは、駅構内にあり、新聞や雑誌、ドリンクやガムなどさまざまなものの購入に役立っていた売店、キオスクが相次いで閉店したこと。駅に複数あったキオスクも、多くの駅でそのシャッターが閉められたまま、という事態が発生しました。

首都圏のキオスク、3分の1休業――Suica導入の意外な影響

上のソースによると、2007年4月の時点で、すべてのキオスクのなんと1/3が閉店しているという事態。

さて、何故こうなったのか、というと、それは上に書いてあるように「人手不足」にあります。

キオスクの販売員には年配の女性が多いが、実は彼女たちは、キオスクを運営する東日本キヨスク(7月1日より「JR東日本リテールネット」に社名変更予 定)の正社員である。東日本キヨスクでは2006年8月から、東京圏で早期退職制度を導入し、約400人の正社員が退職した。東日本キヨスクではこの穴を 埋める契約社員やアルバイトを募集しているが、予想より応募が集まらなかったという。

つまり、キオスクのおばちゃんをリストラ(人員整理)したけど、それを補うはずのバイト、契約社員が集まらなかったと。

さらに当時あった批判として、「レジがキオスクおばちゃんのスキルを殺した」ということが言われていたのですよね。つまり、キオスクの魅力というのは、ホームにあるという立地条件の良さだけではなく、コインを出せば、商品の値段、場所などを全部把握しているというスキルを持つ人が、一瞬で会計してくれるというところにありました。故に、電車が来て乗る直前に新聞を買っても、一瞬でおつりが来て乗れるという感じ。故にキオスクは、そういったスキルを持つ人じゃないと、出来ない場所だったのですよね。しかし、そのスキルによる販売方法故、どの駅でも客との間に一種の信頼関係があったと思います。

それがバーコード読み取り付きのレジの導入により、たしかに商品の記憶力を持ったおばちゃんではなくても値段が把握でき、記憶力を持たない新人の店員、たとえば契約社員やアルバイトでも、そこに立てるようにはなりました。しかも会社にとっては、今まで現場だよりだった商品の管理をPOSにより出来るようになりました。しかしながら、レジでバーコードを通す手間は、かつてのキオスクのおばちゃんによる手渡しのようにはいきません。故に、キオスクの大きな利点である「すぐ買える」というのがなくなってしまいました。まあ、JRとしても、Suicaの普及狙いの目的があったので、レジは必須だったのでしょうが、同時にこのようなデメリットも生み出してしまったのです。故に、仮に早期退職したおばちゃんに替わるアルバイトが集まっていたとしても、同じ問題はかかえていたように思えます。

そしてキオスクは、1年以上経った今でも、多くの駅でシャッターが閉まったままとなっています。

キオスクの張り紙

しかし、これでキオスクを担当するJRの子会社の収益が下がったかというと、意外や意外、実は下がっていないらしいのです。

NEWDAYS Suica利用率が約20%に、KIOSKの減少とは反対に伸び続ける販売力

上は、2007年9月のニュースですが、文面を見るところ横ばい、もしくは伸びているという感じで、大きく下がったようには見えません。そこから大きく動いたという話はありませんから、とりあえず安定しているのだと思います。

でもこれは、考えてみると不思議ではないのですよね。というのは、NEWDAYS設立によって、駅歩0分というとんでもなく好条件の立地にコンビニを構えたようなものですから。

そう考えると、売れている品物はコンビニの売れ線商品と同じであり、かつてのキオスクとは違うような気がします。つまり、キオスクと同じ物を引き継いでいるのではなく、キオスクで売っていなかった別の物の売り上げ増加によって、利益を得ているのではないかと。売れているものは、おそらく弁当などのデイリーでしょうね。特に会社に出勤する人は、降りた駅のNEWDAYSに寄るなんてのも不思議ではないでしょう。

では、逆に売れなくなったものは何か。これはおそらく、キオスクで売れ線だった軽い菓子(ガムなど)と、新聞、雑誌ではないかと思われます。後者は携帯の普及というダブルショックもあり、特に深刻ではないかと。以下は前に書いたものですが、関連するのでご参考に。

マンガ雑誌の売り上げ減少はコンビニに大きな影響を与えるか

でも、こう考えると、JRの戦略は、やがて来るキオスクおばちゃんの大量退職前に手を打った、そしてそれをよく利用する団塊世代の退職による売り上げ低下を見越していたとなると、現時点では成功だったと言えるのではないでしょうか。まあ、キオスクをうまく残しておけば。もっと利益が増えたのではないかとも思えますが、それを言ったらif未来の話になってしまいますし。

これからですが、コンビニが好調なこと、派遣、契約社員のが今までよりも(企業側にとって)規制がかかる風潮になっていてきていること、さらに人を確保できても、かつてのようなスキルを持つ店員ではないので、利点が大きく失われていることなどを考えて、キオスク再開への方向は、JRのキオスク運営が本腰に乗り出す気がなければ、あまり期待できないとも言えるのではないかと。極論、あのスペースが撤去されてしまう可能性もありますね。ただ、キオスクは、それ自体で儲けを得るよりも、駅でのサービスの一環としてやってほしい気はするのですけどね。

それに、コンビニ業界もだんだん厳しくなる傾向があるというニュースも流れていますから、今のままの勢いが絶対に続くとも限らないでしょう。ですので、これからまた動きがある可能性も否定できません。

コンビニ弁当大苦戦中 この7年間で利用が約半分

ともあれ、あのシャッターが降りたままの、狭いながらも超一等地なスペース、再びシャッターが開いて、キオスクとしてか、もしくは別の何かとしてか、有効活用される日はまた来るのでしょうか?

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