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SCOはあれからどうなったのか

 「SCOグループ」もしくは「SCO」と呼ばれた会社をご存じでしょうか。おそらくは知らない人も多いし、ネットにやや詳しい人でも、もう忘れてしまった可能性が高いと思います。しかしながらこの会社、一時期はネット界を騒然とさせることを言い出したのです。それは「すべてのLinuxユーザーは、権利をもっているうちに使用料を払え」(だいぶ意訳ですが)。

SCOグループってどんな会社?

 まず、SCOグループとはどういう会社か、そして何でLinuxの権利を主張したのかから見てゆきましょう。
 SCOグループはもともとカルデラ社(Caldera Inc.)という会社でしたが、2001年5月7日、The Santa Cruz Operation,Inc.という会社から、UNIX資産とSCOブランドを買収しました。ちなみにThe Santa Cruz Operation,Incは、1995年、当時AT&TのUNIXの資産を入手していたNovell,Inc.からUNIXの権利とUnixWareビジネスを譲り受けていました。
 そして2002年8月26日、社名をCaldera Inc.からSCOグループ(The SCO Group, Inc.)に変更します。ちなみにSCOというのは、この時に譲り受けたSanta Cruz Operationの略称です。

 ■スラッシュドット・ジャパン | CalderaがSCO Groupに名称変更へ

 ■参考:SCO – Wikipedia

SCO、IBMを訴える

 しかし、2003年3月7日、SCOグループは、IBMを提訴します。理由は、SCOが権利を持っていると主張しているUNIXコードに基づく機能をLinuxに不正に組み込んだというもの。しかしこれはIBMだけではなく、多くの人にとって寝耳に水の出来事でした。なぜなら、オープンソースであLinuxの存亡にもかかわるから。そのためこの問題に関しては、Slashdot 米本家、日本ではスラッシュドット・ジャパンを中心に非常に盛り上がりました。そしてそこがずっとこの問題を追ってきたので、/.Jのトピックを参照させてもらうことにします。

 まず、提訴が起きた時のトピック。

 ■スラッシュドット・ジャパン | SCOがIBMをUNIXに関する秘密情報の漏洩で訴える

 で、IBMがLinuxをプッシュしていなければ、Linuxが普及するはずがなく、SCOのPC用の正統UNIXがもっと売れていたはずだ。IBMは Linuxをプッシュするのに、大昔に秘密保持の対象としてライセンスしたUNIXの技術を不当にLinuxコミュニティに渡したのだから、SCOのPC 用UNIXが売れなかった分としてIBMは10億ドル以上の損害を賠償せよ、と請求している。

 このなんだかなあな要求に、首をかしげる人続出。そしてLinuxがどうなるか気になりはじめます。

 ただ、IBMもこの無茶に思える要求には従いませんでした。そしてその100日後の2003年06月17日、SCOはIBMへのライセンスを打ち切ります。そしてそして、損害賠償の請求金額を3倍の30億ドルに引き上げました。

 ■スラッシュドット・ジャパン | SCOがIBMのUNIXライセンスを打ち切り

SCO、Linuxユーザーも標的に?

 そしてこのあたりから、Linuxの使用者に対しても、料金を取るそぶりを見せ始めます。

 ■スラッシュドット・ジャパン | Linux免罪符始めました by SCO
 ■スラッシュドット・ジャパン | SCO税は早期割引でも$699
 ■スラッシュドット・ジャパン | SCO近情報告:次の標的はBSD、Novell、エンドユーザ、開発者

 これに世界中のLinuxユーザーは大激怒し、SCOグループへの反発を強めます。それは調べることでSCOの主張の矛盾点を探し出そうという試みだったり、こんなのだったり。

 ■スラッシュドット・ジャパン | SCOを狙うワーム発生

混迷の裁判

 そしてIBMも、2003年08月08日、SCOに対して反訴を行います。

 ■スラッシュドット・ジャパン | IBM、遂にSCOを反訴

 ちなみにこのあたりで、こんな動きも。

 ■スラッシュドット・ジャパン | 自社株売却をがんばるSCO経営陣

 そして2003年後半、裁判が始まりますが、何故かSCOから侵害の証拠が出されません。

 ■スラッシュドット・ジャパン | SCOに証拠提出命令
 ■スラッシュドット・ジャパン | SCOは「侵害の証拠」を非公開のまま法廷に提出する予定
 ■スラッシュドット・ジャパン | SCOが証拠書類を提出、でも一部だけ

SCO混乱、そしてNovellとの裁判追加

 そしてこの妙に引き延ばしっぽい裁判など、なんだかSCOが暴走しているんじゃないか、言いかえればネタになるような行動ばかり起こすようになります。

 ■スラッシュドット・ジャパン | SCOがNovellを名誉棄損で提訴
 ■スラッシュドット・ジャパン | SCO曰く「北朝鮮はLinuxでスパコンを手に入れる」
 ■スラッシュドット・ジャパン | SCOが遂にLinux採用企業を提訴

マイクロソフトの影?

 さて、この頃何でSCOはこんな裁判を起こしたのか、という議論が盛んになります。そしてその中のひとつには、Linuxを恐れたマイクロソフトがLinux潰しのために仕掛けさせたという噂も流れます。たしかにLinuxを使うと金をとられるということになれば、Linuxの勢いは止まりかねません。
 そして、噂を超えるある情報も流れます。

 ■スラッシュドット・ジャパン | SCOへの資金提供におけるマイクロソフトの影を投資会社が認める

 ただ、真相は今でも藪の中です。

逆境のSCO

 しかしそのSCOの見苦しさを見たのか、2004年春になると、SCOにとっての逆境となります。

 ■スラッシュドット・ジャパン | BayStar CapitalがSCOに出資の償還を要求
 ■スラッシュドット・ジャパン | Royal Bank of CanadaもSCOから脱出、SCOはレイオフを開始
 ■スラッシュドット・ジャパン | 投資会社BayStarがSCOを提訴

 あと、こんなのも発覚。

 ■スラッシュドット・ジャパン | SCOによる著作権侵害が発覚

 そして、年始めで矛先を向けたNovell社から、「当時のNovell経営陣が著作権を譲渡する意志がなかったことが明記されている」という切り札を出されてしまいました。これで、SCOの主張自体が大きく揺らぎます。

 ■スラッシュドット・ジャパン | Novellが対SCO裁判で切札を提出

裁判の結果、そして倒産

 その後、IBMとの裁判は2006年11月30日に判決が下され、SCOの主張のほとんどを却下されます。やはり前述のように証拠の提出が不完全だったために、侵害行為の多くを明確にしていないということで却下されたようです。

 ■「SCOの主張は不明確」:Linux裁判でIBMに有利な判断–米連邦地裁:ニュース – CNET Japan

 そしてNovell社との裁判も2007年の8月、Unixの著作権はNovellが保有しているという判決が下されました。

 ■スラッシュドット・ジャパン | Unixの著作権はNovellが保有、SCOが敗訴
 ■SCO 対 Novell、『UNIX』の著作権をめぐる裁判に判決 – japan.internet.com Webビジネス

 そして、そのほんの少し後の2007年09月15日、とうとうSCOは倒産してしまいました。もっとも、このだいぶ前から死に体だったようですが。

 ■スラッシュドット・ジャパン | SCOがChapter11による破産保護を申請

まだ終わりではないぞよ、もうちょっと(略)

 しかし、ここでびっくり、さらにまた新しい展開が。なんと

 ■スラッシュドット・ジャパン | SCO Groupにオイルマネー注入? 再建目指し、訴訟継続へ
 ■SCO、1億ドルの投資受け再建目指す。訴訟継続も – ITmedia News

 どうもオイルマネーらしいです。そして訴訟も継続らしいですが、この大不況の中でどうなっていくことやら。生暖かく見守っています。

  

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